相棒

長文ばっかりですが、毎度毎度読んでくれてありがとうございます。
うん、今回も長いです。たぶん。

俺の相棒の話。
この相棒と出会ってなかったら、今の仕事出来てない。
そんな、ジャジャ馬だけど俺にとって必要不可欠な可愛い相棒。

そう。【工業用ミシン】。分厚い生地もガンガン縫い進んでくれる可愛くてパワフルなやつ。

出会いはひょんなことから。

SANLDKを立ち上げ当初(当時は「3LDK」と数字表記してた。)、お袋からぶんどった俺と同い年くらいの家庭用ミシン(結構高かったらしい)しかなく、デニム地が縫えないこともなかったんだけど、明らかに様子がおかしかった。縫い目ガタガタなるし、変な音だすし。
そりゃそうなる。デニムみたいな厚地に適してないもの。

だから、立ち上げた当初、ミシン買う金(工業用ミシンはすんごく高いし、そこらへんには売ってない。)もなかったから、年季の入ったこいつでできることをやろうとおもって、こいつにすこし頑張ってもらって、稼いだお金で工業用ミシンを買おうとおもって、蝶ネクタイとクラッチバックを布地で受注生産でつくり、もう一つは手縫い(現SANLDKレザー職人)のレザークラッチの受注生産をやった。

ありがたいことに、半年の間にかなりの数(全部合わせて200個くらい)の受注を頂いた。



当時、受注して頂いた方々、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございます。
感謝してます。

んでまぁ、同時進行でミシンも機能調べて、売ってあるとこ探して、見つかんねー!!とか一人でイライラしてて(この時まだ職業用ミシンを買うという考えもなかった。工業用ミシンで頭いっぱいだった。)。

そんなモヤモヤしながらアトリエから朝方歩いて帰ってる途中、普段は絶対しないんだけど、某SNSのコミュニティーに、とあることを書き込んだ。

確か名前が「欲しい人あげます」とかそんなん名前のコミュニティだったとおもう。
あんま覚えてないけど、当時「工業用ミシンが欲しい」で頭いっぱいで欲しくて欲しくてたまらなかったからとった行動なんだと思う。

そこに、「デニム縫いたいです。どなたか工業用ミシン持ってる方いらしたら、譲ってください。お願いします。まじで探してます。」的なことを書いたと思う。たぶんこんな感じのニュアンスだった。

まぁ、いるわけないよなーって思いながらも書いたし、期待値はゼロに近かった。

書いて2分もたたないぐらい。そのときの時間はよく覚えてる。午前4時半前くらい。
携帯がピコーんとなって、コメント1件とついていた。

そこに書かれていたのは、一言。
「あるよー!!連絡ちょーだい!」

とだけ。

いやいや嘘だろ?!
しかも4時半。普通はまだ寝てる。
神さまですか??神様なんですか?

そんなこと思いながらも、朝4時半にすぐ連絡する俺(笑)

居ても立っても居られなかった。

連絡すると、すぐ返信がきた。
「2台あるから1台あげるよ!」

もうね、すごい。ホントに神様が降りて来た。スケジュールを合わせて、取り行くことに。

その方は、農業をされているんだとか。

だから、あんな朝早くコメントきたのか。
とか思いながら、後日譲り受けにいった。

いったのはいんだけど、すんげぇでけー倉庫があった。いや倉庫じゃない。秘密基地みたいなかっこよくて楽しそうな場所に見えた。

奥から、ミシンを譲って頂ける方が、出てこられた。
男の人だった。
最初、見たときちょっと怖かった。(ごめんなさい。)

ご挨拶と自己紹介を済ませ、俺がやろうとしてること諸々をお話しした。
はっきり覚えてないけれど、その方は、「いーっじゃん!やりな!やりな!」という感じで言ってくださった。

そして、「ミシンあげるから、一個だけ俺のお願い聞いて?」みたいなことを言われた。

二つ返事で「はい!」と答えると、
「俺がデニムで何か作りたいとき協力してくれよー!」と、はっきり細かいとこまで覚えてないけど、そういうニュアンス的なこと言われて、俺は「もちろんです!お願いします!」と言った記憶がある。

そんなこんなで、奇跡的な縁で愛くるしい相棒と出会い、今も仲良くやってる。真夜中に二人で和気あいあいと作業してる。

最後まで、名前ださなかったけど、相棒を譲ってくれた方は、"野原さん"。

ご本人のお話し聞くと、ゴリゴリのスケーターだったとか。見た目もかなりイケイケ。
ただ、まじで"かっこいい"!!
生き方、やってること、やろうとしてること。お話しを聞かせて頂いたとき、まじでかっこいいとおもった。

初めて、大人をかっこいいとおもったかもしれない。

すんげー突き抜けてる。

そのぐらい、俺にとって衝撃的な出会いだったし、出会えてよかったとおもってる。

野原さんからのコメントがなかったら、今もまだ「工業用ミシ〜ン、どこ〜〜」とか言ってるかもしんない。

今でも応援して頂いてて、感謝してもしきれないです。

野原さん、ありがとうございます。

スイカジュース飲みたいです!!
飲みに行きます!!
(スイカジュース作られてます。それだけじゃないですよ。)

お店の周年に頂いたお米もまじで美味かった。

農業されてるんだけど、野原さん曰く、「俺の農業はハイブリッド!!」と言われてました。(野原さん、勝手に名前だして申し訳ないです。)

野原さんが作られてるのがこちら。



もう、すごい。

改めて、かっこいい大人の方々に気にかけて貰えて、応援してもらえて、恵まれてるなと日々感じてるところです。

期待を裏切らないように、日々努力して精進しなければと思うし、かっこいい大人の方々が俺ら若い世代に繋いでくれるように、俺も次の世代の子たちにバトンパスできるように頑張らなきゃ。

今夜も相棒とがんばります。

おわり。
 







SANLDK

「破壊なくして創造なし」をコンセプトに熊本を拠点にするデニムとレザーブランド SANLDK。 デニムとレザーを中心に様々なカルチャーやマインドを取り入れたファッションを提案。

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